10日間の静謐、と回想。
それは、八月六日から始まり、九日を経て、八月十五日に至る。
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『あんな物騒は得体の知れないものを。いきなり、予告も無しに落とされれば。
そりゃね。連れてた馬も、馬子の手から離れて。眼前の地平線まで全力疾走。それが点になるまでに。彼も、仔細を考える時間からもれ落ちた、発狂しただろう。』
『いったい、彼と。私の何が違うのだろう。』
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現在形で語れば。それが、劇作家の粗大ゴミ、もとへ。醍醐味でもある。
ならば、戯曲ともいうは。その体験なきが故。平和を享受満喫すればこそ、書ける代物。
生の時空を共有可能な故。戯曲は、劇映画とも違うのですね。
どの形式を取るか。選ぶかは、その作家のタレントに依るので。
表現できる、描けるが、作法でしょう。
それで、田中千禾夫作「マリアの首」を、先ず最初に。浮かんでくる。
被爆者、犠牲者が浮かばれない。だから、浮かんでくる。というもの言いが、手っ取りばやい。
パンフォーカスで撮っても。エンドマークで消えれば。白いスクリーンが残る、二次元。
すぐれた戯曲は、すぐれた俳優の登場を、待っている。
持ち腐れの主は、誰ですか。
既に優れた古典でも。上演は、困難な道のりでしょう。興行でもあるからして。
収支の算盤勘定も要ります。
故に。補助金等交付も必要。
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女優渡辺美佐子さんが、その道を選んだ。そのきっかけを、在住する地方自治体の広報番組で、視聴した。
偶然見かけた俳優信欣三 さんの後を、追跡したら。六本木の俳優座の建物へ。そこで、受付から、募集の研究生のオーディションの書類をもらって。
1959年には、舞台で「マリアの首」に出演されてもいる。
再掲になるが。私が半世紀前、親の金で。新宿はATGで、生でその舞台を観た女優。
「日活」に所属して。「果てしなき欲望」で、ブルーリボン助演女優賞。フォトジェニックにも冴える浴衣の存在感は、圧倒的。
地元「座・高円寺」劇場で、井上ひさし作「化粧」で独演。ロングラン。
縁、と言われてるから。井上台本の「父と暮らせば」もあり。
ライフワークの、戦後数十年に及ぶ「夏の雲は忘れない」の朗読劇。
本年、今月。30日に長崎で公演あり。
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朗読劇、という形式。それに、かくも多数の女優が、確執し拘泥するは。参加してる彼女らの、世代。年代。そして、時代も。想いましょうよ。
共有するは。紛れも無く、日本国民であり。大和撫子なんでしょう。
憲法前文と同じく。口語体で現在形。ここなんだろうな。
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お詫びして訂正いたします。
過年、ここに記した「マリアの首」作矢代静一は、誤記。➡〇田中千禾夫。
それから、もうひとつ。関東は首都圏、新宿コマにて。藤田まこと、市原悦子共演の「その男ゾルバ」、ミュージカル観ました。