かいふう

近未来への展望や、如何に。

ある日

 

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ある女優の死と、ある俳優の死。共通項は、米寿。

 

過日、俳優田中邦衛さんが亡くなった。八十八歳というから、天寿を全うされた、と思う。モスグリーンのジャンパーでの、少し白い歯見せた笑顔は、戦時下を少年で。戦後を食糧難。そして掴んだ役柄。高度経済成長期の都会のビル群。それに、抗する稀少価値的郊外派。労働庶民の代弁者。そんなイメージで、フジテレビドラマ「若者たち」を視聴してた。ひと回り上、だから。未来の現実を、演じてみせてくれる彼らは、ありがたい存在なのだ。

次いで。加山雄三主演「若大将シリーズ」での青大将役。これが、受けた。劇映画は、ドラマが売り。ドラマチックは、主演キャラとの台詞のキャッチボール。脚本は若くして、書けるものではない。それで、映像は、カット割りで。観客に、錯覚を生ませる。

その醸し出す演技は、助演者では済まない。それを、田中邦衛は見事に演じて見せた。

主演を際立たせる、持ち上げる度量が、名優と呼ばれる所以だ。

シリーズの回数に比して、彼のギャラがアップしたも、当然。

北の国から」シリーズは、テレビ画面。何処にでも居るキャラ。これで、主演を張った。そこに引っ越してまでの倉本聰脚本は、観客にイメージを存分に掻き立てたんだろう。

未開地、メルヘン残存十分、厳冬。広大なる地平線に、牧草の緑に点在する乳牛。山紫水明、白樺に花畑。エトセトラ。

 

羊蹄山を、絵画のような車窓。外に見て。汽笛に、不思議の国のアリス。彼女の気持ちがわかった。

私の方から、入って行ったのだから。己の意思で来たのだから。

受け入れよう。

 

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先日、女優八千草薫さんが亡くなった。彼女も、88歳。

名前からして。その歳まで、持って往ったのか。意識して、だとしたら。

八千草薫が、八十八で死す。」  

これ、すでに伝説ではないですか。

キューポラのある街」に主演の彼女と、同じ。美女の系譜

タカラジェンヌ、初代殿堂入り100人のひとり。