かいふう

近未来への展望や、如何に。

番外編。天使と、【堕天使】の見分け方。

イエス

ある日、ボクは空を見上げていた。それはどこまでも澄みきった、青い青い果てしもない。しばし時を忘れ、止めた主が、ボクしか居ない。親は選べないとよく云うが。自然の中にひとり休んでいるボクは、紛れもなく、息をして生きている。それは、ある時は、北の大地の牧草の中に大の字になって寝そべり。風が心地よく緑の草で顔隠して、誰にも気兼ねなく地球を枕に若い汗と疲れた身をゆだねた。報償だ。快感。
天使をさがした事はなかった。
それから、ある日。ぼんやり空を見上げていた。すると、天から、何かが降りてきた。見る見る近ずくと。姿形が、地上の者に似ている。
彼は云った。「何を驚くのか。私は天使だ。」「その証拠に、天国がどんなか、話そう。」
見て来たふうな事云うな。彼は云った。「本当に見て来たのだから。話す。」「さあ、話しただろう。信じてくれよ。」
ボクは言ってやった。「では、尻を見せてよ。」彼は怪訝そうに答えた。「どうして信じない。」ボクは答えた。「天使は、降りて来る。」「しかし、蹴落とされた者は違う。」
「仲間外れになって。用が無いとばかり、尻を蹴飛ばされて。」「落とされたくせに。降りてきたふうに云う。」「だから。お尻を見れば。足のアザ痕が残ってるはず。それでわかる。」
【堕天使】は、踵を返すでもなし。そのままどんどん後退り。やがて消え去った。